ビルディングでいえば、カルシウムはセメント、コラーゲン は鉄骨です。セメントだけでは丈夫なビルディングをつくる のに必要なコンクリートはできません。骨の場合このコンク リートに相当するのは、「ハイドロキシアパタイト」と呼ば れる固い物質(リン酸カルシウム)です。このハイドロキシ アパタイトは骨密度に強く反映されますが、骨質はコラーゲ ンの状態によって変わります。破骨細胞は建物を壊す解体屋、 骨芽細胞は建物をつくりつづける大工さんのような存在だと いえます。骨強度低下は破骨細胞が活発で骨芽細胞の活動が 弱くなっているアンバランスな状態で起こります。この時に カルシウム(セメント)をいくら摂取しても、ハイドロキシ アパタイト(コンクリート)とコラーゲン(鉄筋)をつくっ てくれる大工さんが弱っていたらまったく意味がありません。 またコラーゲンを摂取しても意味がないことは前に述べた通 りです。