【骨を知る②】
骨に必要な栄養素ビタミンD

骨といって皆さんが思い浮かべるのはカルシウムとビタミンDだと思います。カルシウムについてはもう知っておられる方が多いと思いますので、このコラムではビタミンDについて触れていきます。ビタミンDは強い骨を維持するためや健康のために必要な栄養素です。ビタミンDは身体が食料品などからカルシウムを吸収することを手助けしてくれる大事な栄養素です。ビタミンDの摂取が少なすぎる人は、骨が軟化し、細く脆くなり、骨粗しょう症などの骨の病につながる可能性がありますので、日頃から気を付けておくことが必要です。

※このコラムは厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』eJIMのサイトより情報を引用、加筆しております。詳しくはeJIMのホームページを是非ご覧ください。→https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html

ビタミンDは多くの意味において身体にとって重要な栄養素です。たとえば、筋肉を動かすため、神経が脳と身体のあらゆる部位との間のメッセージを伝達するため、免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するために不可欠です。またビタミンDは身体が食料品などからカルシウムを吸収することを手助けしてくれる骨を丈夫に保つために非常に大事な栄養素です。ビタミンDは全身の細胞内に存在していることは一般的にも広く知られています。

骨に良いとされる栄養素と食品は?

カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨の形成に役立つ栄養素を積極的に食事に取り入れることが骨のためには大切です。前述の通りカルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。

ビタミンDは太陽から摂取できますか?

皮膚が直射日光に当たると、体内にビタミンDが生成されます。ほとんどの人がこの手段でビタミンD所要量の一部を得ています。屋内で窓越しに日光に当たってもビタミンDは生成されません。日光はビタミンDの生成にとっては大切なものですが、皮膚癌のリスクを上げないためには皮膚の日光曝露は制限するのが賢明です。

公益財団法人骨粗鬆症財団HPより抜粋
日光浴はどのくらい必要?
夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度、日に当たるだけでじゅうぶんです。ビタミンDはカルシウムの吸収をよくするために、骨をつくるうえで欠かせない成分ですが、食事からだけではなく、日光浴により皮膚でもつくられます。またガラスは紫外線をあまり通さないため、窓越しの日光浴ではあまり効果は望めません。一日中家の中にこもりきりの人は、食事からじゅうぶんなビタミンDをとらないと不足してしまいます。

ビタミンDが健康に及ぼす影響にはどのようなものがありますか?

糖尿病や高血圧、そして多発性硬化症といった自己免疫疾患などの病気や健康状態と、ビタミンDとの関連について研究が行われています。また骨への障害があらわれることは何よりも広く知られています。年齢を重ねるにつれ、何百万もの人(そのうち多くは女性ですが男性も該当)が骨粗しょう症を発症するか、発症リスクをかかえています。発症すると、骨は脆弱化し、転倒によって骨折する場合もあります。骨粗しょう症は、長期にわたるカルシウムとビタミンDの摂取不足により発生する可能性が高まります。男性も女性も、骨粗しょう症の予防や治療計画の一部として摂取すべきビタミンD(とカルシウム)の量についてかかりつけ医に相談してみましょう。

ビタミンDが害を及ぼす可能性はないのですか?

血中ビタミンDの量が多くなりすぎた場合、有害となり得ます。毒性の兆候には吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、脱力感、体重減少などが挙げられます。そしてカルシウムの血中濃度を上昇させることにより、過剰のビタミンDは、錯乱、見当識障害、心拍リズム異常を発生させることがあります。また、過剰なビタミンDは腎臓を損傷するおそれがあります。ビタミンDの安全な上限は、幼児であれば1日当たり1,000~1,500IU、1~8歳の小児であれば1日当たり2,500~3,000IU、9歳以上の小児、成人、妊娠中あるいは授乳中の女性(十代女性を含む)であれば1日当たり4,000IUといわれています。ビタミンD毒性の原因は、ほぼ例外なくサプリメントの過剰摂取です。身体は自身が生成するビタミンD量を制限することができるため、日光への過剰曝露がもとでビタミンD中毒が発生することはありません。どんな栄養素も過剰に摂取するメリットはないものです。

日本人の食事摂取基準は「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」に載っていますので、詳しくはこちらをご参照ください。日本人の食事摂取基準(厚生労働省) →https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html