【骨粗しょう症⑤】
喫煙は病の元。禁煙できる心がけを

喫煙によって、病気による休業、手術の際の創傷部位の治癒の遅れや術後の呼吸器合併症の増加、骨粗鬆症や大腿部頚部骨折の増加、消化性潰瘍、歯周病、白内障や失明の原因となる加齢性黄斑変性を引き起こすもとにもなります。

※このコラムは厚生労働省『生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネットのサイトより情報を引用、加筆しております。詳しくはe-ヘルスネットのホームページを是非ご覧ください。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-02-004.html

喫煙による悪影響

喫煙による悪影響

喫煙によって、全般的な健康状態の低下や喫煙関連の病気にかかり、休業する原因ともなります。会社にとっては喫煙者を雇用することで、勤務時間中の喫煙や休業により、労働生産性の低下につながることが明らかになっています。また喫煙していると、外科手術を受けた際に創傷部位の感染や壊死、表皮の剥離などによって治癒が遅れたり、術後の呼吸器合併症が増加します。喫煙は骨密度の低下を進めるため、骨粗しょう症や骨折にも関係しています。特に閉経後の女性において、その関係は十分な科学的な証拠があります。高齢男性についてもその可能性が指摘されています。また、骨粗鬆症などを介して大腿骨頚部骨折などの骨折を引き起こすもとにもなります。

また、喫煙は歯周病の原因にもなります。また歯の変色・根面う蝕・歯の喪失にも関係しています。眼に対する影響としては、白内障の原因となるほか、高齢者では失明の原因として重要な加齢性の黄斑変性を引き起こします。さらに喫煙すると消化性潰瘍にかかりやすくなりますが、特にヘリコバクターピロリ陽性の人では確実にその影響が認められています。

百害あって一理なし?喫煙者本人の健康影響

百害あって一理なし?喫煙者本人の健康影響

2016年に公表された「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)」(通称、「たばこ白書」)で、たばこの健康影響について、疫学研究などの科学的知見を系統的にレビューし、さまざまな項目を総合的に吟味したうえで、たばこと疾患等との因果関係をレベル1~レベル4の4段階で判定しています。下記は、日本人における喫煙者本人への影響(能動喫煙)として、喫煙との関連について「科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である(レベル1)」「科学的証拠は、因果関係を示唆しているが十分ではない(レベル2)」と判定された疾患等です。※厚生労働省生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネットより抜粋

因果関係を推定する証拠が十分(確実):レベル1

がん:肺、口腔・咽頭、喉頭、鼻腔・副鼻腔、食道、胃、肝、膵、膀胱、子宮頸部、肺がん患者の生命予後悪化、がん患者の二次がん罹患、かぎたばこによる発がん
循環器の病気:虚血性心疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤、末梢動脈硬化症
呼吸器の病気:慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸機能低下、結核による死亡
糖尿病:2型糖尿病の発症
その他:歯周病、ニコチン依存症、妊婦の喫煙による乳幼児突然死症候群(SIDS)、早産、低出生体重・胎児発育遅延 たばこを吸っている本人はこんな病気になりやすくなる(根拠十分:レベル1)([2] p.3より転載)

喫煙による骨粗しょう症の誘発リスク

タバコの喫煙は、骨粗しょう症と骨折の危険因子です。さらに、喫煙はカドミウムへの曝露を引き起こし、これは骨粗しょう症の既知の危険因子であると考えられます。スウェーデンのある研究では、喫煙誘発性骨粗しょう症の一部がタバコの煙からカドミウムを介して仲介される可能性があると仮定し、高齢者を対象としたメディエーション分析を用いてこの仮説を調査した論文が2020年に発表されています。

詳細は論文サイトで→https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002288081849958

この研究は、男性(MROS)研究における骨粗しょう症性骨折の研究で、2002年から2004年で尿中試料、骨密度(BMD)、喫煙データ、およびその他の情報が収集されました。尿中カドミウムをベースラインサンプルで分析し、研究対象はX線レジスタに基づく破壊発生率のために2018年8月まで追跡されました。カドミウムを介した間接効果は全身BMDに対する喫煙の全効果の43%であり、全股関節および転子BMDに対してさらに多かったとされています。喫煙も,すべての骨折と主要な骨粗しょう症骨折のより高いリスクと関連しており、タバコ煙からのカドミウム曝露が喫煙誘発骨粗しょう症において重要な役割を果す証拠となると、論文では結論づけています。

喫煙による骨粗しょう症の誘発リスク

このような研究から見てもタバコを喫煙する習慣は、骨にとっては悪影響があるといえます。ましてや、骨粗しょう症による骨折リスクを抱えている方にとっては、すぐに禁煙し、生活習慣の改善に努めることが症状改善のための資金石となるはずです。それでもタバコをやめられないという方は、禁煙外来を受診することも積極的に検討しましょう。2006年より禁煙治療に健康保険等が適用され、患者さんの負担も軽くなりました。禁煙治療を健康保険等で受けるには一定の要件があり、1回目の診察で医師が確認します。要件を満たさない場合でも、自由診療で禁煙治療を受けることができるのでまずはかかりつけのお医者様にご相談ください。